あおぞら財団 「阪堺線の活性化策に関する市民提案」
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「阪堺線の活性化策に関する市民提案」

2010年4月

「阪堺線の活性化策に関する市民提案」

<道路市民塾(事務局:あおぞら財団)>

活性化策の内容

堺市は、中世より自治都市として栄える等、独特の文化と歴史を持った自治体です。阪堺電車も開業以来、堺の歴史と共に歩んできました。

堺市は、環境モデル都市として日本政府により選定される等、環境問題への取り組みにより近畿地域の牽引役が期待されています。また「阪堺電車」を存続させることで、地域の歴史を継承していくだけではなく、環境問題への取り組みの牽引役となることも期待しています。

阪堺電車を「環境モデル都市・堺のシンボルとする」ことを前提として、以下を提案します。

①堺市の交通全体を「環境」「福祉」の視点から見直し、総合的な交通計画を策定

「環境」「福祉」のまちづくりをすすめるためには、誰でも使える公共交通を充実させ、移動をマイカーに頼らずにできるよう交通計画をすすめることが必要です。まずは堺市民を対象に、日常の移動とその手段、自転車や公共交通等、各交通手段の利便性を問うアンケートを実施するとともに、住民を巻き込んだ懇談会を開催します。その上で、徒歩、自転車、バス、電車、マイカー等すべての交通を考慮しつつ、堺市全体の交通計画を「環境」と「福祉」の観点から見直します。

具体策としては

駅の周りの駐輪場の整備や、パーク&ライドのできる駐車場の整備、車内への自転車の持ち込み、バス停や鉄道駅との連絡を良くする等、他の交通手段との利便性を向上させる。
阪堺線を福祉交通として位置付け、コミュニティバスとの連携や、低床型車両の導入、駅のバリアフリー化をすすめる。
全体計画を見直す中で、東西鉄軌道 ( LRT ) 計画も再検討する。
大阪市内~堺市内は1駅でも 290 円は割高感がある。短距離でも気軽に使えるよう運賃体系を工夫する。
等が考えられる。

②使い方を考える場づくり・人づくり

阪堺電車をはじめとする市内交通の利便性をあげ、堺市民の利用を増やしていくためにも、市民と一緒に使い方を考えていくことが大切です。

具体策として、

• 阪堺線の使い方を考える地域懇談会を開催
阪堺線沿線住民が主体的に考える場ができるよう工夫をしながら、市内外の交通まちづくり団体や環境団体、研究者等とも連携をして、懇談会や勉強会を開催し使い方を検討する。
• 環境教育、社会的マナー、歴史を教える場として、小学校の授業で活用
社会的マナーを教える場としての活用や、公共交通を使うことが環境問題への取り組みに繋がること、地域の歴史の一端にふれるなどを、阪堺電車を利用した授業を通じて実施する。授業には、外部講師に依頼する等、「環境・交通・社会性」を子どもたちに伝えるモデル授業の取り組みとなるよう工夫をして実施する。
③地域のまちづくり資源として利用

堺市の歴史とともにある阪堺線は地域の歴史的資源です。利用しない人、関心のない人にも阪堺線に興味をもってもらえるような取り組みすることが必要です。

具体策として、

• 堺市民を巻き込んでの阪堺線活用イベントを開催
地域のスタンプラリーや、ライブや講座の会場として利用する等、堺市民も楽しめ堺市を再考できるイベントを開催。堺市民を巻き込んでイベントを運営する。商店街や沿線の施設とも連携し、共に利用者の増加が見込まれるよう工夫をして行う。
• 車内への自転車持込みを可能にし、「環境のまち・自転車のまち堺」の広告塔として利用
堺市は(株)シマノ本社がある等、自転車のまちとしても有名である。阪堺電車に自転車を持ち込みできる車両を導入したり市内の自転車ルートと連携をさせる。レンタサイクル事業と組み合わせる等、「自転車のまち」とあわせ、阪堺電車を「環境のまち」としてのアピールに利用する。
実施主体

行政(堺市、大阪市、大阪府等)、堺市内の市民組織(商工会議所、自治会、阪堺電車の愛好会、環境団体)、学校、企業、大学等の研究機関、近畿圏の環境団体(環境 NPO 、交通や環境問題に関する市民団体等)

活性化策による効果

堺まちづくりへの寄与
住民の利便性の向上
子どもへの教育
環境問題への啓発
堺市への観光客の増加

意見募集のページ: http://www.city.sakai.lg.jp/city/info/_tetuki/iken.html